30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです

☆☆☆

「おっかしいなぁ。確かにケシゴムが転がってきたのに」
給湯室でコーヒーを入れながら美加は手の中のケシゴムを見つける。

あの後麻子から『まだ酔ってるの?』と指摘されて、苦いコーヒーを作ろうとここへやってきたのだ。

幸い給湯室には誰もいなくて美加1人だったので、さっきの不思議な現象をお見追い返すことができていた。

「顔色が悪いんじゃない? どうかした?」

誰もいないと思っていたところを急に後ろから声をかけられて美加は「ひゃっ!?」と声を上げて飛び上がった。