悠里は驚いたようにこっちを見て、ニコリと笑った。 「良かった。本当に俺のこと忘れてんのかと思った」 「……うん」 「それは、忘れてたってこと?」 良かった。今日の悠里は穏やかで落ち着いている。忘れてるわけない。 むしろ、忘れたいのに忘れられない。今日は聞きたいことがあったから、こうして挨拶を返したのだ。 「……なんで、毎朝ここにいるの……?」