帰宅早々、私はベットに身を投げた。
昨日、吉田と木村に誘われて初詣に行ってきた。
お願いするために列に並んでいた。
横一列の端っこにいた私は見つけてしまった。

御守りの人混みから出てきた暁を。
誰かを探している。
声をかけようか迷っていると
走ってくる女性。

その瞬間の嬉しそうな表情で気づいてしまった。
暁の好きな人があの人だって。
初めて見る顔だった。

なにを話してるかは聞こえないけど
すごく仲がいいことはわかった。
(キッツイな)
「しーちゃん?どうかした?」
「なんでもない」
ハッとして返事をしてまたその方向を見ると
2人は視界から消えて行く。

ここで考えると止まらなそうだから
考えないようにした。

おみくじを引いたり、出店をまわったりして
帰ってきたのはついさっき。

(振られて1週間も経ってないのに、
酷くないか?神様。
言わなきゃよかった、行かなきゃよかった)

「新学期、どんな顔して会えばいいんだ。
・・・友達。どう話してたっけ」