舞踏会が終わってすぐウチの修学旅行の話し合い。
旅行まで後1週間。

「じゃあ、各グループでの自由時間の行動予定を
この時間内に書いて提出してください」

「伏見稲荷神社は見ておきたいな」
「嵐山竹林行きたーい」
「北野天満宮はみんなで行くんだよね」

みんな、どこに行くかで盛り上がっている。
「暁は？どこ行きたいとかある？」
「俺は特にないかな」

メンバーは男は俺と伊吹　
浅田　拓実　(あさだ　たくみ)、女子は
吉田　ほのか(よしだ　ほのか)と
木村　雪乃(きむら　ゆきの)、
三上さん。

「三上さんは？」
「私も、特にないな」
「浅田は？俺らで決めていい？」
頷いたのを確認すると
「じゃあ俺らで勝手に決めるからな。
後で文句言うなよ」

浅田は口数が少なく、物静か。
吉田さんはゆるふわという性格。
そして運動神経抜群。

木村さんは
内気な性格で運動が苦手。手先が器用
(今思ったけど、これ俺がしっかりしないと
ダメなやつ？)

「じゃあバスと新幹線の座席を決めるか」
行き先が決まったみたいで今度は座席を決める。
「なんか楽しそうだな、伊吹」
「うん、生き生きしてる」

「2人は誰が隣でもいい？」
「俺は別にいいけど、ペンで人を指すな」
「私も」
「なんだよ〜、つまんねーの」
伊吹は不貞腐れて紙に名前を書いて先生に提出しに
行った。
「班長、暁がいいんじゃねえの。しっかりしてるし」
「え、」
「さんせーい」
「いいな、それ」
伊吹の一言で、班長が決まってしまった。
(俺の意見は、・・・まぁいっか)

放課後、2班のメンバーはメアドを交換。
グループチャットを作成した。
ー修学旅行当日ー
(そろそろ行こうかな)
いつもより少し早い時間に学校に向かう、
「陽」
はずだった。

「お嬢様？」
お嬢様はまだパジャマ姿だった
「すみません、起こしてしまいましたか？」
「ううん、ただお見送りしたくて。
いってらっしゃい、陽」
「いってきます、お嬢様」

平静を装い外に出た。
(か、かわいい！
言ったら失礼だけど健気というか・・・
とにかくかわいい！
やばい、新婚みたいって思っちゃった。
まぁ、叶わないけどね)

「おはよー、陽。あれ、なんか嬉しそうじゃん。
もしかして楽しみすぎて寝れなかった人？」
「そんなわけないでしょ」
(まずい、そんなに顔にででたかな)
学校に着くなり伊吹にからかわられる。

集合時間になり各班長が先生に報告をする。
「2班、揃ってます」
そして先生が全員いることを確認してバスに乗る。

交通機関を乗り継いで奈良に到着。
東大寺、法隆寺、奈良公園などを観光して1日目は
終了。