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_____……

それからしばらくして、
ロスマン帝国に向かう日がやってきました。


さくら「ついに、この日がやってきたのね。」

マリー「そうですね。」

マリーは、ロスマン帝国に一緒についてきてくれることになった世話係。
さくら姫が幼いころから傍にいる侍女です。

さくら姫、マリーの他に、
視察団数名が、今日、ロスマン帝国に向かいます。


___コツッ

王様が、さくら姫たちの見送りにやってきました。


王様「さくら姫、こっちへ来れるか?」


さくら「? はい。」

王様は、さくら姫を呼ぶと、


__シャラッ…


さくら「これは、…」

さくら姫の首に、ペンダントをかけました。

王様「これは、今は亡き母の形見だ。必ずやお前を守ってくれるだろう。」

さくら「…お父様…」


そのペンダントは、
金でできた花びらの形をしていました。
中を開くと、純白に輝く
きれいな花の咲く木の絵が描かれています。

さくら「この木は…」

さくら姫が見たことのない木でした。


王様「それは…お前の名前の由来にもなった、”サクラ”の木だ。」

さくら「わたしの名前の由来…」

王様「とても管理が難しい木で、めったに見ることができないものだ。この王宮にも以前、サクラの木を植えたことがあるが、すぐに枯れてしまった。」

さくら「そうだったのですね…」

王様「お前の母はこの花をこよなく愛していた。そして亡くなる直前に、お前の名を『さくら』となずけたのだ。」

さくら「そうでしたか…」

さくら姫は、母の愛を感じ、
うれしくなりました。

王様「さくら姫。あらためて伝える。どうか、ロスマン帝国との平和のために、仁義を尽くしてほしい。頼んだぞ。」

さくら「はい。お父様、かならずや、目的を達成いたします。」