無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない

100メートル走か…。

へとへとに倒れこんで死にかけ状態の自分を容易に想像できてしまう。

…うーん。

その間に先生に東郷様の遅刻のことを伝えるとわかりましたと慣れている返事。


「美鈴ちゃんっ。私運動系には自信あるかも!」


どうやら自信があるらしい椎菜ちゃんの返事にへぇ…としか言いようがない。

自分の番が来ないで欲しいと切実に思っていた。

…それに、


「あの子よ。あの子」

「えぇ、なんであんな子が」


どんどん広がっていく悪評、もう地獄を極めていた。

早くこの時間が終わってほしい。

柊木は名前順番的に後ろの方だからさきに椎菜ちゃんの楠の方が先だった。