無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない

いつの間にか眠っててしまってたらしい…。

看病しようとしたのに…眠ってしまったなんて、
何やってんだ私っ!

そして目が覚めると新堂様がこちらをじろりと見ていた。

数秒間気まずい間が流れる。


「…すみません。部屋、入っちゃいけない約束でしたよね…?」

そうだそうだ。

初日に麗央様と部屋には入らない約束してたんだった。

看病しようとしたとはいえ…無断で入ってしまった。

お、怒られるかな⁉


「お前…その段ボール…」


新堂様が言った段ボールはきっとこれのことだろう。

自分の横にある段ボールに視線をよこす。


「はい、これ湊様にお願いされまして…」


ちらりと新堂様の方を見ると何故か何も言わない。


…どうしたんだろう?