無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない

「お、前…なんのつもり…だよ」

「新堂様、とても苦しんでいたので」

汗を拭こうとするとその手を掴まれた。

流石に図々し、すぎたかな…?

「あ、…すみません」

慌てて手を引っ込めようとしたら彼は私のぐっと引き寄せた。

そして…

「お、前が…こんな状態、…の俺に、近づくから。」

ぎゅっと抱き着くような体勢になった。

…ど、どゆことっ⁉

「ここ、は…男の、部…屋なんだ…よ。」

熱い新堂様の体温が伝わってくる。

「…血が」


「っ」

突然首元にチクりと痛みが走る。



それが次第に全身に気持ちよくしびれてきた。