無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない

「あのっ、大丈夫ですか⁉意識ありますか?」

目の前に倒れている新堂様の顔の前に手を振り問いかける。


「おまっ…なんで、…いって、き…た」

苦しそうながら言葉をつむぐ新堂様。

それなのにさっきから彼のにらむ目は誰もが震えそうな殺気を放っている。
ちょっと怖い…かも。

「とりあえず…、ベッドに寝かせますね…?」

扉の前に倒れている新堂様をどうにかひきずり…がんばって新堂様の部屋のベッドに寝かせる。

そして慌てて冷やすものを探しに自分の部屋に戻る。

えぇーと冷やすもの冷やすもの。

お兄ちゃんが自分に風邪の時用に救急箱を持たせてくれたことを思い出しすぐにそれをもって新堂様の部屋に戻る。

「失礼します!」

「…冷…たッ」

そりゃあ冷蔵庫のキンキンに冷えた氷を布の中に詰めましたから…。