無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない

さて、これを目の前にいる彼女たちにそのまま言ってしまったら違う意味で反感を買ってしまう。

さぁぁぁと一瞬にして頭が凍り付いた。

な、な、な、な、なんて言おう。

「何よ、なにかあるんなら吐きなさいよ。」

「え、え~と」

何か、何か言わないと…。

頑張って頭をフル回転させてセリフを考えているとと肩に手がかかった。

「おぉ~女子怖いな…」

…誰かの体温が伝わってくる。

確かに女子は怖い…この状況で若干同情してしまう。

そして聞いたことのない声に若干困惑していると周りの女子の様子がガラッと変わった。


「氷室さまッ」

「うわ、目の前にいる。輝かしい」


さっきまで、あんなに態度が大きかった彼女たちが彼の突然の登場に
きゃぁぁぁぁと黄色い悲鳴をだし始める。