無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない

放課後

私はへとへとの体でバッグを持つとすぐに寮に帰ろうとした。

椎菜ちゃんにばいばいと言い廊下に出る。

その時、


「柊木さん。ちょっとよろしいかしら?」


見覚えのある声に振り向くとそこには入学式の日お兄ちゃんと仲良くしていた美優という人がいた。

入学式の日に見た通り美人だった。
お姉さん系といった感じにスタイルがいいし、顔を整っていた。


そして、どことなく気が強そう。

周りにはいわゆるとりまきという人たちがいる。


…あれ、私何かしたっけ

ふと考える。

「お話があるんです」

「お話…」