無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない

「じゃあね」

彼はそういうともときた小道を戻っていった。

栗栖さま…。不思議な人だったな。

あ、そういえばっ。

私は慌てて椎菜ちゃんを置いて行ってることを思い出し走り出した。


「~もう、美鈴ちゃんどこいちゃったかと思ったじゃん!」

「ほんと、ごめんっ」

「心配したけど無事ならよし。冷めちゃうから早く食べよ。」

「うん」

栗栖さまが言った通り中トロの海鮮丼は美味しかった。

でも、私の財布は少し軽くなった。