無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない

「栗栖様は多種多様なんですよ」

ピンを付けた栗栖さまは男前とはいかなくても
しゅっとした鼻筋が綺麗な男の子になっていた。


前髪を上げたせいかより顔の形がきちんと見える。


道の水たまりから反射して見える栗栖さまはかっこよかった。


「あんま、変わらなくないか?」

「かっこよくなりましたよ⁉」

「いや、少ししか変わらないって」


ピンを外して元通りになった栗栖さまはいつも通り可愛さがあった。


「少ししか変わらないほど栗栖様には栗栖さまの個性があるんですよ」

「個性…、ね」

「それに少し変われる多種多様性もあるんですよ」

「面白いね」