無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない

私の様子を見たのか椎菜ちゃんはごゆっくり~と買いに行ってしまった。

どうしよっかな…。

「どうしよう。めっちゃ迷う」

どれもおいしそうで選べない。
今月限定の料理もおいしそうだし…。
いや、でもまずはおすすめからか!

「中とろの海鮮丼おすすめだよ」

「なにそれめっちゃおいし…ん、え?」

透き通るような声。

慌てて顔を上げるときれいなまつげが視界に入った。

栗毛色の髪の毛をして長いまつげ。

「すみません。どなたですか?」

「あはは。ごめん失礼だったね。」

可愛い顔つきだからか女の子と見間違いちゃいそう。

「…ねぇ、君さ。」

突然顔を近づけたかと思うと急に嫌な顔をしてテラス側の席を見た。

「え、あれ栗栖様じゃない?」

「あの、栗栖様がなんで食堂なんかに?」