もしかして、これ入っちゃ駄目だった系かな。

どうしよ。

入学式の行き方も分からないし、なんか入っちゃいけないとこっぽかったし、
踏んだり蹴ったりだ。

「今、体育館の行き方がわからなくて…間違えて入っちゃいましたすみませんっ」


見逃してくださいっ必死に思いながら顔を上げる。
このままじゃ本当に遅刻しちゃう。

「お前さ」

「わっ」

突然腰をつかまれる。
そして強引に引っ張られる。

「香水つけてる?」

「え?」

香水?もちろんつけてないけど。

「つけていませんけど。」

「ふーん」

聞いといてその態度。
やっぱりどこかの御曹司なのだろうか。