…迷った。

靴箱を通り過ぎればすぐだと思うだろう。

この学園はそんな単純ではないらしい。

最初はたくさんいた生徒も今は周りに誰もいない。

つまり聞ける人もいなくなってしまった。


「遅刻しちゃう。問題児になっちゃう。私の平和な学園生活が、」


私の理想がガラガラと音を立てて崩れ去っていく気がする。
いや、崩れているんだ。シクシク。

ちなみに私が今いるところは中庭らしき場所だ。

綺麗な花が咲き誇っている。花係でも世話しているんだろうか。


…というか、兄の案内をおとなしく受け入れておけばよかった。


今更ながら後悔してきた。
いや、この状況を見る限り後悔してもいられない。