無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない

そのティラミスもただのティラミスでは無い。

金箔らしきものが振りかけられていてチョレートの横にナッツと凝られて作られているのがわかる。

「美鈴は何食べる?」

麗央さんは冷蔵庫をのぞき込むと、イチゴの乗った可愛らしいショートケーキを取り出した。

生クリームの狭間に見えるスポンジ絶対ふわふわなんだろうな…

なんて思っているとそれを麗央さんは私の手の上に置いてきた。

「これとかどうだ?」

「えっ、こんな美味しそうなもの…」

私ごときに勿体ないっ
そんなことを考えている間に麗央さんは満足したのか
私に手を差し出す。

思わずきょとんとしてしまう。

「美鈴は手を取ってくれないのか?」

意地悪そうに笑みを浮かべる麗央さん。
麗央さんの違う一面がちらりと見えた気がする。

いや麗央さんは十分意地悪かもしれない
だってもともと美しいのにこんな顔されたら女子はイチコロだ。

そろりそろりと手を取るとひんやりした温度が伝わってくる。


麗央さんは満足した様に冷蔵庫を閉めるとさっき横になっていたソファーの方に向かっていた。

自分も麗央さんに引かれてソファに向かう。

もちろんぜっっったいにケーキを落とさないように…。慎重に。



「美鈴こっち」


そういうと麗央さんは自分の横の場所をたたく。
も…もしかしてそこに自分座ることになるんですかっ。