「美鈴こっち。」

女子の目線を気にしない様子の兄。
すごすぎでしょ…。

「美鈴入学式に遅れちゃうよ?」

やばい。そうだった。
入学式に遅れたら問題児レッテル張られちゃう。
それだけはこれからの学園生活を脅かすに違いない。


だけど、、このお兄ちゃんを連れて行ったらなんとなく未来が想像できる。
絶対に学園でうわさされちゃう。それは絶対にダメだ。

「お兄ちゃん自分で行けるよ。」

「駄目だよ。わからないでしょ?」

「地図見ればわかるもん!」

「それはそれで時間の無駄だよ」


なかなか食い下がらない。

お兄ちゃんのやさしさに申し訳なさを思う。

「柊木先輩もうすぐ授業が始まりますよ。一緒に行きませんか?」

その時、突然目の前に女子学生が現れた。
結構な美人の人だ。兄の友人かな?

「美優。」

ー美優?
親しい仲なのだろうか。下の名前なのだからそうなのだろう。

いや、いまはどうでもいい

入学式に遅刻しちゃう。