無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない

慌てて傷口の消毒を済ませようと水道の方を行こうと…した。

つるっと今水で拭いたばかりの床は思いっきり滑って後ろに頭をぶつけそうになる。

…あ、これ打ちどころ悪かったら重症になるかも。

頭は冷静になるけど体はもちろん動かない。


「どんくさ…」


ぎりぎりのところで彼が受け止めてくれたらしく体重を彼にかけてしまっていた。


「す、す、すいませんっ」


慌ててさっきのどんくささが嘘のように彼から離れる。


「あぁーちょっとやばいかも」


頭を押さえる彼。


「よく今まで襲われなかったね」


気づけば彼は私の後ろの壁をたたいていた。
…逃がさないように。