陣内(じんない)組若頭、丹波(たんば)ナイル。組長がリアナちゃんのファンで、1ヶ月まえからきみのボディーガードを命じられてるんだ」




 ぽかん、と口が開いた。

 ジンナイグミ、ワカガシラ。

 それはあの、さくら組とか、もも組とか、そういったたぐいのあれじゃなく…?




「あ、こう言っても高校生にはわからないかな。かんたんに言うと、極道…ヤクザだね」


「なるほど」




 納得しながら、とてもその筋のひとには見えないお顔をじぃっと見つめると、お兄さんは目元をほんのり赤くして、照れ笑いを浮かべた。

 えっ、心臓がぎゅんってなったのだけど!