「パワハラだよねー、パワハラ。酔いつぶれるまで飲ませようなんてさ~。とちゅうで抜け出してきたけど」


「ふだんはあんまりお酒飲まないんですか?」


「んー、リアナのボディーガードがあるから」




 ナイルさんは目をつむって答える。

 そっか、ナイルさんもプライベートけずられてるんだよね…。




「酔っぱらったナイルさん、定期的に見たいです。いっぱい甘えてきてかわいいから」




 ナイルさんの髪をなでながらそう言うと、ナイルさんはぱちっと目を開けて私を見つめた。




「かわいい?」


「はい」


「ふーん…俺がかわいく見えるんだ」




 目を細めるナイルさんを見て、あれ、といやな予感がする。

 ナイルさんは体を起こすと、噛みつくようにキスをしてきた。