ピンポーンとインターホンが鳴ったのは、とある冬の夜のことだった。




「ナイルさん?こんな夜中にどうしたんですか…?」




 ベッドから抜け出してきた私は、眠たい目をこすりながら、心なしか赤い顔をしているナイルさんを見上げる。

 すると。




「リアナ、会いたかった」




 ナイルさんはそう言って、ふにゃりと満面の笑顔を浮かべた。

 私はきゅんと高鳴った胸を押さえる。

 なにこの破壊力抜群の笑顔っ!




「キスしたい、キス」


「え、わっ」




 ナイルさんは冷えた指先で私のほおにふれて、ちゅっとキスをしてきた。

 ちゅ、ちゅ、ちゅ、と止まらないキスから私は抜け出して、いつもとちがう匂いから、ナイルさんがこうなった原因を当てる。