「ナイルさんの本音を聞かせてよ…っ!」


「…」




 サングラスを外しているナイルさんは、私を見つめて目を細める。

 それから、目を伏せてふかいキスをした。




「ふぁ、んっ…はぁ…」


「俺の本音、か…リアナに近づく男は皆殺しにしたい。さらってでも、リアナをそばにいさせたい」




 ナイルさんはぎゅっと私を抱きしめる。




「――俺がアイドルのリアナを台無しにして、ぜんぶをうばいたい」




 キケンな愛の言葉をささやかれて、胸がきゅんとうずいた。

 そうだよ、ナイルさんはそういうひと。

 ぜったい好きになっちゃいけないような、わるい大人なんだ。




「ダメです、私、アイドル辞めたくありませんから…でもね、ナイルさんの彼女になりたいんです。私のわがまま、かなえてくれませんか?」