「ナイルさんっ」
私はその背中に声をかけて、ふり返ったナイルさんをよこの廊下に連れこんだ。
おおきな資材が置かれて、簡易物置のようになっているその場所の奥へと入りこんで、資材の陰で足を止める。
ナイルさんの胸に飛びこんで、ぎゅっと抱きつけば、ナイルさんも私を抱きしめ返してくれた。
「ぶじでよかったです…っ。守ってくれて、ありがとうございました…!」
「連絡取れなくなってごめんね。まえにたたきのめした連中が報復に来て、スマホこわれちゃって…しばらく組のほうもごたついてたし」
ひさしぶりに聞いたナイルさんの声がやさしくて、温かくて、胸が満たされていく。
「もう二度と会えないんじゃないかって、すごく不安でした…!」
「ごめんね。リアナちゃんの仕事が落ちついたら、声を…」
「――好きですっ、どこにも行かないでください…!」



