今度は、楽屋のすみでくやしげな顔をしているミウみうとはなす番だ。

 私はイスから立ち上がって、3人のよこを通りながら、ミウみうに近づいた。




「ねぇ、ミウみう。あのときのハプニング、ミウみうが仕組んだことだよね?あのひと、ミウみうのファンだもん」


「っ、は?言いがかりはやめてくれる?」


「見てたよ、私を見て笑ってたの。私にいやがらせしたかったんだよね?でもさぁ…」




 ばん、と壁に手をつく。

 ミウみうの真正面に立って、目を細めた。




「お客さんが楽しみにしてるライブを中断させるなんて、プロとしての自覚あるのかな」


「なっ…!」


「いままでがんばってした練習だって報われないじゃん。私、軽蔑した。ミウみうはアイドル失格だよ」


「っ…」


「またおなじことしたら、HRSMT(ヒリスミツ)辞めてもらうから」