「従兄として聞いてやる。なんでも」




 やさしい声に、胸がじわっと温かくなった。

 ちいさいころから、本当のお兄ちゃんよりもお兄ちゃんみたいに思っていた、たよれるひと。

 なんでもはなしちゃいたい。


 …でも、でもね。




「オウキくん、ぜったい怒ると思うから」


「俺にかくれてわるいことしたのか?」


「わるいことじゃないよ、ふつうのこと」




 1人の女の子としては。




「…いまね、すごく不安なの。心配してるひとがいて…」


「そうか」


「…ねぇ、ぎゅってして」




 ちらりと、甘えるようにオウキくんを見ると、じっと目を合わせられて。

 無言で、ぎゅうっと抱きしめてくれた。


 ナイルさん…。

 既読をつけるだけでもいい。

 どんなささいな方法でもいいから、ぶじだって教えて。


 じゃないと心配で、私、泣きそうだよ。