「ちゃんと笑顔でやり切ったみたいだな」


「アイドルだもん」


「リアナはえらいよ」


「えっ。なぁに、急に」




 そんなストレートにほめるなんて、オウキくんらしくない。

 思わず顔を見ても、オニキスのような瞳は手元を映してるだけ。




「天真爛漫に見えて、感情の制御が上手いだろ、リアナは」


「そうかなぁ?」


「そうだ。ま、あの仮面家族じゃ自然とそうなるしかなかったんだろうが」


「仮面家族って…」




 否定はしないけど。

 オウキくんがそんなこと言うなんてめずらしい。

 本当にどうしたんだろう?


 じぃっと見つめると、オウキくんは視線を上げて、私と目を合わせた。




「仕事に影響するほど大変なことがあったなら、俺にはなせ」


「オウキくん…」