メッセージを送ってみても、いつもならすぐにつく既読がつかなかった。

 やっぱり、さっきの銃声となにか関係があるの…?

 それとも、ナイルさんもようすを見に行ってるだけかな…。


 “銃”っていうのが、ヤクザさんと結びついてどうにも落ちつかない。

 私のボディーガードをするために、ナイルさんはいつも私の近くにいるみたいだし…事務所の近くにもいるはずなんだけど。




「みんな、レッスンを続けるわよ」


「先生!」


「なにがあったんですか?」


「ヤクザが近くで争ってるみたい。外に出ると危険だから、警察が来るまで事務所のなかにいてもらうわ」


「ヤクザ…」




 やっぱり、ナイルさんが…?

 胸さわぎが収まらなくて、私は胸のまえでぎゅっと両手をにぎった。

 それからのレッスンに集中できるわけもなかったのだけど、それは他のみんなもおなじで、特にわる目立ちすることはなかった。