「――むり、抱きたい」




 タンザナイトのような瞳が私を射抜いた。

 いままでのようなやわらかいものじゃなくて、ヤクザさんの顔がすこし混じったような…そう、野性的なまなざし。

 私はドキッとして、思わず二の腕を抱く。


 ナイルさんはひじかけに手を置いて、私を閉じ込めながら目を細めた。




「最後まではしないから、抱いていい?」


「さっ…~っ、それ、子どもあつかいですか…?」




 ほおの熱を感じながら、そっと腕を下ろして、ナイルさんを見上げるように見つめる。

 ナイルさんはまなざしを変えないまま、口角を上げた。




「んーん、好きな女の子あつかい。最後までするのは、リアナが俺のことほしくなったときでいーよ」


「っ…ナイルさんが、他の女のひとに手を出さないって誓うなら、いいですよ…」