男性Bさんがこちらを見つめながら、ぼそっとつぶやく。

 向こうのほうは暗くて、表情がよく見えないんだけど…目を丸くしている、ような?


 私はとりあえず、笑ってこの場をしのぐことにした。




「えへ」




 こんなの、マネージャーにバレたらお説教確実だなぁ。




「出たっ、リアナちゃんの“えへ”!かわいすぎるっ!」


「わっ!」




 男性Aさんにぎゅうっと抱きしめられて、体が固まる。

 すると、Aさんの腕が一瞬で離れて、自由の身になった。

 いったいなにが。


 きょとんとしてふり返れば、いつの間に移動していたのか、男性BさんがAさんの腕をつかんでひねりあげている。

 そしてドラマのように、首をとんとたたいてAさんを気絶させた。




「わぁ…」


「大丈夫?」