ナイルさんだ。
私のこと見守ってくれてるんだなぁ、と実感して、見つかるとも思えないけど窓の外にナイルさんの姿を探してみる。
ナイルさんは関係者でも、HRSMTのファンでもないし、正直にはなしてもいいかな。
[ちょっとひと悶着あって]
くわしく書こうとした指を止めて、胸がきゅう、と求めるままに文字を打ちこむ。
[今夜、また家で会えませんか?ナイルさんとおはなししたいです]
既読はすぐについて、[もちろん]という返事もすぐに来た。
私はほおをゆるめてスマホをしまう。
いまは、アイドルの私になんて興味がないひとと、一緒にいたい気分だった。



