【短】当方人気アイドルですが、最凶ヤクザなお兄さんにこっそりボディーガード、されてました。



 HRSMT(ヒリスミツ)のなかでもいちばんあたりが強いミウみうだから、拒絶されるのも予想のうち。

 私は笑顔を保ったまま教えてあげた。

 自分の肩を見たミウみうは、私の服にぱしゃっとお茶をかけてきた。




「あつっ…」


「あんたドジね、自分の飲み物こぼすなんて」


「え…」




 ミウみうは紙コップを落とすと、さげすんだように笑いながらそう言う。

 それから私の紙コップをうばい取って、「マネージャー!」と車を降りていった。

 外からうっすら、「リアナがお茶をこぼしちゃって…」とはなす声が聞こえてくる。


 こんなことまでしてくるんだ…私、ファンには好かれても、仲間にはとことんきらわれてるなぁ。

 ふふ、とあきらめの笑顔が浮かんだ。




「リアナ、大丈夫か?」


「あ、オウキくん…えへ、ごめんね。服ぬれちゃった…それから車も」