おそるおそるコップを置いたら、ナイルさんに笑われた。
ナイルさんは手で口元をかくしているけど、目もにっこにこだから、笑っているのはぜんぜんかくせてない。
「ごめんね、俺のせいなんだけど、警戒してるリアナちゃんがかわいくて…いま俺、男としてすごく意識されてる?」
「っ…!」
ぼっと顔が熱くなって、そっぽを向いた。
するとまた、「ふふふっ」と笑い声が聞こえる。
「リアナちゃんってほんとにかわいい女の子だね。オヤジに感謝しないと。アイドルなんて興味なかったし」
「…ナイルさん、ファンとしてもよくないですからね。アイドルと1対1で会うなんて…ふつうは握手会限定なんですから」
ナイルさんって、あのときの布教で私のファンになってくれたみたいだけど…こんなに距離が近いの、ふつうは怒られちゃうんだから。
ちょっとふくれて言えば、ナイルさんはすこし間を空けて答えた。



