夜おそくまでのレッスンを終えて、家に帰ってきた私は。

 写真フォルダに残っているQRコードをアプリで読みこんで、ナイルさんにメッセージを送った。




[こんばんは、リアナです。いま帰りました。よかったら家に来てください。部屋番号は812です]




 既読がついたのは一瞬で、はやっと思いながら返信を待つ。




[わかった。おじゃまするね]




 うん、返信もはやい。

 私はスタンプを返して、リビングを片付けることにした。


 ピンポーンとインターホンが鳴ったのは3分くらいあとで、「わぁ」と声がもれる。

 ナイルさん、撮影所にもいたし、ストーカーまがいのことしてるのかなぁ…。


 私はモニターでナイルさんの顔を確認して、エントランスのロックを解除した。

 ナイルさんが玄関に来るまでに片付けが終わったから、一安心。