俺に向けられた笑顔があまりにもかわいくて、顔がゆるむ。




「ごめんね、きみの顔を近くでちゃんと見たことがなくて。こんなにかわいい子だとは思わなかった」




 リアナを抱き上げると、そのほおは赤く染まった。

 かわいいって言われて照れたんだ? 本当にかわいい。




「反応までかわいいね。純真なお姫さまは大切にしないと」




 演じようとしなくても、するりと言葉が出てくる。

 この子のまえでは、やさしい男でいたい。

 姫のように大切にしたいし、世界でいちばん甘やかしたい。


 心をうばわれて、うちから自分が作り変えられていく。

 それがまったくいやじゃなくて、むしろしあわせに感じること。

 それが恋や、愛といったものなんだと、俺は自然と悟っていた。



 リアナ。俺の心をうばった、かわいい女の子。

 ――俺も、きみの心がほしいよ。