「リアナ…」




 たしかにととのった外見だ。

 でも、彼女が“かわいい”のは顔がいいからじゃない。




「えへ」




 こまったように、ごまかすように、にこっと笑ってみせたリアナを、すなおにかわいいと思った。

 仕草、表情、視線のうごかし方…性格が現れるささいな場所。

 うちからにじみ出たものがこんなにかわいいなら、肉体に収まった“中身”はどれだけかわいさであふれているのか。


 心をうばわれるのは、一瞬だった。




「大丈夫?」




 男を落としてリアナを助け出すと、のぞきこんだ顔はおどろきと照れを見せる。

 あぁ、すなおに感情が出るんだな。

 俺に見惚れてる女の顔を見てかわいいと思ったのは初めてだ。




「は、はい…えっと、ありがとうございます、お兄さん」