意味がわからないと目を丸くしている桐ヶ谷くんを見上げる。



「だから、桐ヶ谷くんが好きなの。あなたはもう私のこと好きじゃないかもしれないけど…それでも私は好きだから。一緒にいてほしい」


「…え?ええ!?」



桐ヶ谷くんは大袈裟に驚くと、みるみるうちに顔を赤くしていった。



「な…っ、だって全然そんな素振りないし、てっきり俺は恋愛対象外なんじゃないのかって思って…。だからバレンタインのことも言わないでいたのに…って、俺がいつ先輩のこともう好きじゃないとか言いました!?大好きなんですけど!?」



顔を赤くしながらキレてきた桐ヶ谷くんに、今度はこっちが目を丸くする。



「…え?だ、だって私に好きって言ってこなくなったし…それに私に可愛いって言ったことないくせに、さっき女の子には可愛いとか言ってたじゃない」


「好きって言わなくなったのは、毎日毎日「好き」って言って軽い気持ちなんだって思われたくなかったからです!さっきの先輩に可愛いって言ってたのは、絵梨先輩の居眠りしてる時の盗撮写真見してもらったからです!」


「…へ?」


「いつもしっかりしてる生徒会長が授業中無防備な姿で眠ってて、そんなのギャップすぎてめちゃくちゃ可愛いじゃないですか!同じクラスの男子ずるいです!てか、先輩のこと可愛いって思わなかった日なんてないですから!」



勢いよく言い切った桐ヶ谷くんに、次は私の顔が熱くなっていく。



「…じゃあもう何度も言ってるからわかってると思うんですけど、もう一度ちゃんと言います。絵梨先輩のことが入学式の日からずっと大好きです。俺と、付き合ってください」



やっと本当に通じ合った想いに、私も笑顔で答える。



「私も桐ヶ谷くんが好き。大好き」





チョコレートのお菓子言葉…あなたと同じ気持ち