私はその手をどけて、
「ごめんね、間宮さん」
と、ハイヒールを脱いだ。



「由花?」



困惑している間宮さんに、
「大好きだよ」
と、伝えた。



裸足のまま、エレベーターホールから離れて、階段を駆けおりる。

ペタペタと間抜けな足音を鳴らして。

私は、本当の私に戻る。