総長様は姫の姿を誰にも見せたくないようです。

「1年ぶりの地元だ〜!・・・雪くんびっくりするかな〜」 私はこの春アメリカ留学から帰ってきた。
「帰ってくること誰にも言ってないから驚くだろうな〜」
1年間会うことなく電話のみで話していた雪くんがどんな反応をするか楽しみだな〜
帰国はまだだって言ってるし、驚いてもらえるだろうなぁと思っているとお母さんに呼ばれた。
優姫(ゆき)、荷物運びこむの手伝って〜」
「はーい!」
返事をしてお母さんの方へ向かうと興奮気味なお父さんがいて、やっとここに戻ってきたということを実感した。
「おぉ!久しぶりのマイ道場だー!綺麗にされてる!やっぱり雪くんたちに使ってもいいから掃除してくれないか頼んで正解だったなー!」
そんなお父さんを横目に叶羽が私に質問する。
「そういえば姉ちゃん。明日からあの学校に転入するんでしょ?」
「そうだよ!」
「はっ、そうだった!こんなに可愛い優姫をあんな不良校に入れるのは心配なんだが大丈夫か?」
叶羽の問いに答えるとこの会話を聞いたのかハッと思い出したかのようにお父さんが話し始める。
「大丈夫だよ!雪くんだけじゃなくて九条くん兄弟に瑠衣奈(るいな)ちゃんと桃々(もも)ちゃんも居るし!」
そんなお父さんの心配をなくすためにお母さんが大丈夫と言ったのにもかかわらず「うーん」などと言いながら悩んだ結果、「心配だから、優姫には変装をして入ってもらい ます!雪くんたちに会う前に大変な目に合ってしまうかも しれないからね。」などと言われてしまった。
少し不満ではあったが「分かったよ。」と頷くとお母さん前もって準備してきましたとでも言うような笑顔でウィッグとカラコンを渡された。
お父さんに変装をしてって言われたからしてみたけどまるで自分じゃないみたい。
この格好でも雪くんたちに分かってもらえるかなと不安な気持ちになったところで叶羽が追い打ちをかけるかのように「すごい… 姉ちゃんじゃないみたい。」と言ってきた。
「ホントね〜この格好でも優姫だって分かってくれたら 雪くんはホントに優姫のことが好きだって分かるから仕掛けてみようかしら〜」
お母さんまで...となりながらも私と同じことを思ったのか叶羽が少し天然の入っているお母さんにツッコむ。
「この格好で転入することになったら紛れもなく仕掛けることになっちゃうよお母さん。」
でも...会うの楽しみだな。