「また、独り───……」



独りはもう嫌。

寂しいから。

独りじゃ、何もできないから。

心の中のもう1人の私が、問いかける。



『独りでいた方が、楽じゃない?』と。



その通りだった。

独りは寂しい。

孤独は嫌だ。

でも、また人と触れ合って。

───離れて行くのが、怖い。

1人、また1人と、人が離れて行く。



「椿月……!!」

「っ……!」



響いた声。

顔を見なくたって分かる。

───士綺くんだ。

暗い中、雨が降ってる中、探してくれたの?

どうして……。



「椿月!椿月どこだ!……椿月!?」



……見つかった。

士綺くんが、走ってくる。

士綺くんは濡れていて、必死の顔をしている。