それより、なんだ……。

───この、今にも人を殺しそうな士綺さんの目は。



「てめぇ」

「っ!」



今まで聞いた事のない、おぞましい声。

それは総長様のものだった。

……なんだ? まさか……

───百瀬椿月?

絶対にそうだ。きっと百瀬椿月の情報が分かったんだ。

それにしても、なんでこんな士綺さんはキレてるんだ?

俺だって、ここまでキレてるのは見た事ない。



「一度しか聞かねぇ。何をした」

「……」



久瀬日向は視線からの脅しを真に受け、黙ったまま。

答えねぇとか……殺されんぞ。

案の定、士綺さんは容赦なく蹴り飛ばした。



「答えねぇか」

「グァッ……!」



鎖を外し、髪の毛を鷲掴んで無理やり顔を上げさせる。