【side涼】




あーあ。やりらかした。

出て行った百瀬椿月。

はーあ。めんどくせぇ。

百瀬椿月が出て行った扉を眺めていると、“奥の部屋”から音が聞こえた。

ドンドンと、暴れているような音。

……チッ、起きたか。

士綺さんから言われた命令。


『椿月が来る時は麻酔を打て』


そう言われ、毎回百瀬椿月が来るたびに打っていた。

暴れる音が聞こえるということは、起きたということだ。



「ッチ。めんどくせぇなぁ!」

「グッ……!」



イラついてる事もあり、力のまま久瀬日向を蹴り飛ばした。

すると、扉が開いた。



「なんか音がすると思ったらここにいたんだ〜!」

「……憐夜さん、士綺さんたちも」



そこには、憐夜さんたちが立っていた。



「てか、つーちゃんはどこ?」

「……帰りました」