中学生、士綺くんとのことがあってから、士綺くんは引っ越した。

悲しむ私を容赦なく追い詰めるいじめ。

主犯だったのが、久瀬くん。

トイレの上から水をかけられたこともあったし、物を隠されたり、靴箱に虫が入ってたり。

そんなのは序の口だった。

ついには階段から落とされたり、暴力を振られたり。

逃げ出したかった。



「きゃっ……!!」



夢中で走っているうちに、躓いて転んでしまった。

膝は擦りむいて、足首を捻ってしまった。



「うっ……」



痛い。でも、心が何よりも痛い。

ジンジンと、熱を帯びる膝。

少しずつ赤くなる足首。

それを見ながら、ゆっくりと立ち上がった。



「っ……!」



捻った足では立ち上がれなくて、崩れ落ちる。



「いたっ……」



とりあえず……家に帰ろう……。

私の居場所は、ない。