傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

……え?

急に響いた舌打ち。

舌打ちをしたのは……涼くんだった。

え……? いつもの涼くんは舌打ちなんかしないのに……?

いつも憐夜くんと士綺くんの仲介役で、『ほら喧嘩してたら百瀬先輩泣いちゃいますよ』といい人だった。

そんなことを思う私の視線に気づいた涼くんが、口を開いた。



「何? お姫様の前で“いい子ちゃん”するの飽きたの」

「えっ……」



衝撃の言葉だった。

仲良くなれたと思ったのは……私、だけ?



「俺、女嫌いなの。しかも何、最初の。ただぎゃあぎゃあ泣き喚いて憐夜さんたち困らせて」

「っ……」



放たれた鋭い刃が、胸に刺さる。



「俺がいい子ちゃん振るのは士綺さんたちの前でだけ。アンタにいい子ちゃんする義理はない」

「っ、ご、ごめん……」