「憐夜てめぇ、表出ろ」

「え!? なぜ!?」



当の士綺くんは相当キレてて、憐夜くんを悪い笑みを浮かべながら見ている。



「ごめんなさい総長様ぁ!」

「ちょ、士綺くん……!」



士綺くんは憐夜くんの首根っこを掴んで、倉庫から出そうとしていた。



「士綺くん、ね? 一緒にケーキ食べよっ?」



そう言うと、士綺くんは憐夜くんを離した。

そして、ふわりと笑みを浮かべて……。



「ああ」



そう短く返事をした。

その顔に、私は胸が高鳴った。

……し、士綺くん……。

は、破壊力あり過ぎだよっ……!



「ほーらぁ! 怪しい! 士綺クンがこんな風に笑うの見たことないもん!」

「うるせぇ」



すっかり涙も引っ込んで、士綺くんと憐夜くんのやり取りを、笑いながら見ていた。

これが幸せなのかと、そう思った。