涙が流れてる目をゴシゴシと擦ってると、士綺くんの手が触れた。

……え。

その手は、優しく涙を拭ってくれた。

士綺、くん……?



「腫れるだろ。擦んな」

「え……」



久しぶりに見る、優しく眼差し。



「あぁもう! 甘い空気出さないで! リア充滅べ〜!」

「うるせぇ憐夜」



憐夜くんの言葉に、士綺くんが睨む。

り、リア充?



「てか2人の関係何!? 絶対元恋人とかでしょ! ねぇ!」

「も、元恋人ぉ!?」



ないない! 確かに……好き、だけど……。

でも、士綺くんは嫌いかも……しれないし、アプローチとか、できない。



「違う違う! そんなんじゃないって! 私たちは、ただの幼馴染みで……!」

「……っ」

「え? 士綺くん?」



一瞬、ほんの一瞬、士綺くんが息を飲んだ気がした。

ま、まさか、士綺くんは元恋人とか思ったりして……!?