傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「椿月、泣くな」

「ありがとう……っ。ありがとう……っ」

「ほらほら、ケーキも用意したんだよ〜! 一緒に食べよっ! 僕ら───」


“仲間だからね”。



憐夜くんの言葉に、涙が止まらなくなった。

“仲間”。

何よりも心から、望んでいたのかもしれない。

願いが、叶った。



「ありが、とう……」

「もう、泣かないで〜!……昨日の事、気にしてないって言ったら嘘になるけどさ」

「……えっ」



急に紡がれた言葉に、涙が静かに流れる。

昨日の、こと。

“あの人”のこと、だ。



「気になってるけど、“仲間”のことは尊重するに決まってるでしょ〜? だからつーちゃんが『話したい』って思った時に話してくれたらいいな」

「……ありがとう、憐夜くん」



自分ができる、精一杯のこと。

憐夜くんたちを……士綺くんたちを、信じたい。



「はい! この話は終わり! ほら、早くケーキ食べよ〜!」

「ケーキ……!」