傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「士綺くん、いいの……?」



後ろにいた士綺くんに問いかける。

だってそれは……士綺くんが認めるってことだから。



「俺は最初から反対してねぇよ」

「え……」



私、ここにいても、いいの……?

昨日、あんなこと、しちゃったのに……。



「つーちゃん、昨日大丈夫だった? 困った事あったらすぐに話してねっ!」

「……ぁ」

「おい憐夜」



士綺くんがすぐに諭す。

憐夜くんは苦笑いをして、後ろに数歩下がる。



「……ふ……っ」

「え!? つーちゃん!?」



気づけば涙が流れていた。

あれ……なんでだろ……。



「う、うっ、ううっ……っ」

「ごめん。嫌な事思い出させちゃって……」



違う。憐夜くんの言葉に泣いたんじゃない。

初めてだった。

おめでとう、そう言われたのが、初めてくらいに久しぶりで。

こんなに、嬉しいんだ。

誰かに認められて、必要とされることが。