士綺くんに引っ張られるまま外を歩いた。
いったいどこに向かってるんだろう……?
「ねぇ士綺くん、もう5分くらい歩いてるけど、どこに行くの?」
「……」
士綺くんは全然答えない。
「ねぇ、士綺くんってば!」
「……」
もう。なんで何も言わないの?
ここら辺は、昨日通ったところ。
「ねぇ、士綺くん?」
「……そろそろ着く」
「いや、だからどこに?」
「……」
もー。いったいどこに行くのー?
「……倉庫」
「……え」
そうこ……。
───倉、庫?
「あっ、あぁっ……っ」
あ、“あの人”が、いる……っ!
「嫌……! やだ、やめて……っ!」
「椿月!」