傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「着替えたか」

「うん。士綺くん、ごめんね。寒くない? 風邪とか引いてないかな……」

「別に寒くねぇよ。風邪も引いてねぇし」

「そ、そっか」



な、何を話せばいいんだろう……。

昔のように話す事もなくて、モジモジと服の裾をイジる。



「じゃあ行くぞ」



急に士綺くんが立ち上がって、そう言った。



「え……。どこに?」

「……いいから行くぞ」

「えっ、ちょっ……」



手を引かれて、外に出る。

外に出る時に咄嗟にスマホは取っておいた。

そのまま士綺くんに引っ張られて行く。

えっ……!? どこに行くのっ!?